トロントビジネスデザイン留学記@Rotman MBA

トロント大学ロットマン経営大学院MBA class of 2022(予定)に在学する日本人学生の記録。

これからの時代はMBAよりデザイン修士?

先日会社の社費留学制度に申し込んだ。

学生時代から漠然と抱いていた夢に一歩踏み出した形だ。

 

ビジネスマンとして海外大学院に行くとなると、まず頭に浮かぶのはMBAだろう。

技術的な学位も持っていな自分にとってみれば、なおさらその選択肢しかないと思っていたし、

応募書類もMBA希望で提出した。

 

が、落合陽一さんが日本最高戦略で「これからはMBAではなく、アートの時代だ」的なことを

書いており、どこか頭に引っかかっていた。

実際に、英語力や所謂MBA的なスキルでいうと、市場では結構当たり前になっていて、

社内ならまだしも社外では差別化はなかなか厳しいだろう。

 

そんな折、「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由(著者:佐宗 邦威)」を読んで見た。

https://www.amazon.co.jp/dp/B014UR9R3Y/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

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もう少し色々勉強しないといけないないが、将来のキャリアの1つの方向性として非常に魅力と可能性を感じさせてくれる本だった。

 

 

◾️デザイン思考とは何なのか?

 

最近(結構前から?)、デザイン思考という単語を本屋でもよく見かけるようになった。

「デザイン」「思考」という、わかりやすい単語の組み合わせのため、音だけはスッと入ってくるが、

そもそもなんなの?というところはあまりわかっていなかった。

 

デザイン思考とは、文字通りデザイナーが作品を生み出す、つまり0→1を生み出す思考プロセスそのものことである。

デザインというと、芸術の世界の話でしょ?と思われがちだが、そもそも言葉自体が設計するという意味も持っていて、

これをビジネスの場にも導入して、もっと新しいものを生み出していこうよ。

というのがデザイン思考である。

 

これまでのビジネスの世界の常識である左脳的かつ数字が最も大切なロジカルシンキングに対し、

ビジュアルや曖昧さ、インスピレーションを許容する手法である。

 

 

◾️デザイン思考はこれからの時代に必要なスキルなのか?

 

なぜ、デザイン思考が流行ってきているのか。

グローバル化に伴う価格競争や情報インフラ整備による総クリエイター社会、

AIによる代替リスクなど、人の価値がより創造的な分野に求められる時代が到来している。

 

これまでビジネスの世界でのオーソドックスなキャリアアップとして考えられていたMBA

既存ビジネスを効果的に加速させる点においては非常に有効だが、

複雑性やカオスが加速する時代において求められるのはイノベーション

つまり0→1を生み出していくスキルでありMBAではカバーしきれない時代になってきている。

おそらく、落合さんもこの辺りのことを言っているのだろう。

 

それに対し、デザイン思考は市場を変えるイノベーションを起こすスキルといえる。

日本ではまだまだマイノリティだが、海外では一般的なものになってきており、

MBAコースでもどんどんデザインプログラムが導入されてきている。

 

 

◾️デザインスクルールは留学候補先になり得るか?

 

その後のキャリアプランの目標をどこに置くかにもよるが、

 

・経営者としてスキルを磨く→ MBA

・ビジネスクリエイターとしてのスキルを磨く → デザイン修士

 

として、十分留学候補先になり得ると感じた。

正直この本を1冊読んだだけなので、その後のキャリアパスや留学後のスキルアップなど

色々気になる部分はあるものの、純粋にスキルを身につけてできるようになるであろう仕事や

そもそもの勉強の中身やプロセスが非常に魅力的に感じている。

 

昨今の社内ベンチャーの潮流や個人のスキルがより重視される時代が訪れることを考えると

社会的な価値も今後高まり、十分留学の候補先になり得るのではないだろうか。

 

 

 

 

これから本腰を入れて留学の準備を始めようとしていた自分にとって、

新たな可能性とモチベーションを与えてくれた非常に良い本でした。

留学云々は別として、デザイン思考の中身やすぐに実践できそうなテクニック(個人的には付箋を使った情報整理術など参考にしたい)も紹介されていて

なんとなくデザイン思考が気になっているという人にも導入編としておススメできる内容です。

 

 

振り返ってみれば、昔からよく絵を描いていてデザインはものすごく好きだった。

ビジネスの世界でももちろん活躍したい。

漠然と夢に描いていた海外でのライフスタイル。

客観的に評価されるものではなく、やりたいこと・楽しいことをやるべき。

 

なんか全てのピースが揃った気がする。